ヘルシンキに暮らす、仕事を失ったアンサとアル中のホラッパ。そんな2人はある日運命的な出会いを果たす？
アキ・カウリスマキ監督が6年ぶりに撮った愛の物語
アキ・カウリスマキ監督作は初鑑賞だったが、本当に大好きな映画だった。可愛いけど哀愁があって、厳しい現実の中に少しの幸せがあって、労働者達の淡々とした日常がただただ流れていく映像をまるで綺麗な景色を眺めているかのように楽しめた。
特に美術と衣装が大好き。アンサのパステルカラーの部屋とレトロポップな家具は可愛くて、ホラッパの黒のレザージャケットはめちゃくちゃカッコよくて普通に欲しいくらい。
でも、そんな美術を映えさせるのは照明と撮影。とにかく陰影のメリハリが強い画作りは重厚感あってカッコ良い。特にアンサがスーパーを去るシーンの画なんて今年一惹き込まれた画だった。
大人の恋愛とかそういうのでもない。シネフィル向けかと思いきや音楽の使い方とか意外とポップで楽しい。多分この監督は優しい人何だろうなぁとだけが伝わってくる81分。
