Kapporiya49

枯れ葉のKapporiya49のレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.0
今さらながら人生初カウリスマキ!
若い頃はレニングラード カウボーイズの映画撮った人という認識しか持ってなかったが、本作の評判がたいへん良いみたいなので観てみた。

何もかも独特な世界観だけど非常に映画的な話法が練り込まれていて、さすがに名監督と言われる作家の作品だなーと感心した。

印象的だったのは光の当たり方。
現実にはそんな当たり方しないでしょと思う室内の日光の反射光。狭いアパートの窓辺から差す日光。ベッドに横たわる役者の顔に当たる明かりによる陰影。どれも印象的だった。

小さな小さなお話に独特なユーモアが散りばめられていて、眠気を誘うようで眠気が起きないような匙加減で物語が進み、ラジオで観るものの意識を刺激する。

「ひどい戦争!」なんて物語上言わせる必要はないのに、言わせずに要られない感じ。
こんなに底辺の生活だけど、微かな幸せを感じさせるエンディング。
ハリウッド大作に比べればほとんど何も起きていないに等しい映画だけど、感覚的に好きになれる映画だった。
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