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枯れ葉のMrSeepのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.1
“Fallen Leaves”
落ちてもなお、力強く、重なり合いながら生きていく。

“Syntynyt suruun ja puettu pettymyksin”
邦訳:悲しみの中で生まれ、失意を着て

アキ・カウリスマキの最高のラブストリー。
ラブストリーは決して若者だけの特権ではないということ。富裕者のものではないということ。

ヘルシンキの街並みやフィンランド人の人となりがとても興味深いし、面白い。経済の状況も色濃く反映しているのだろうか、そこには戦争や暴力、抑制的な感覚があった。

そしてよくビールを飲む。(これぞ北欧映画よ)

自立的な女性と内向的な男性、よくロシア文学で見る構図だ。妥協と我慢を繰り返す女性と、それと全く逆の弱々しい男性(だけどどこか愛らしい)との恋愛は、見ていてどこか虚しい。
だからこそ報われればいいな、と応援したくなるのかもしれない。

今の時代だからこそ、人間の強さ、その結びつきの固さという希望とを、しっかりと伝えなければいけないと思う。それにぴったりの映画だ。

犬がとても良いアクセントだったな〜
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