ルミエール

枯れ葉のルミエールのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
5.0
アキカウリスマキ監督、最高じゃないですか!一生ついていきます!
アンサとホラッパのもどかしい恋。これまでの作品の中でいちばんイケメン&美女。互いに寡黙なのがよいね。苛酷な労働条件の下ギリギリ生活の、もう若くはないふたり。偶然の出会いはロミオとジュリエットみたい。酒場の喧騒の中惹かれながらも見つめ合うだけ。その後行きつ戻りつのふたり。途方にくれたような顔がリアルで人生のほろ苦さを感じさせる。寄り添う同僚も言葉少ないが温かくユーモラス。どこか小津安二郎監督作品を彷彿とさせる。アンサが引き取ったわんこが哀愁あり可愛い過ぎる。
カラオケバーやライブ演奏含む音楽のチョイスも抜群。ことごとく涙腺緩んだ。
ノスタルジックな画面だが、ラジオからはウクライナ侵攻のニュース。これはまさしく今の話なんだとハッとする。
ラストシーン、綺麗に色づいた枯葉のように精一杯の命を生きたいと胸がいっぱいになった。