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関心領域のharunomaのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
1.1
痛ましき無関心帝国。
記憶の棘は、バコール、アレクサンドル・デスプラの音楽、
ハリス・サヴィデスの撮影ということで、そこそこ好きだが
このデビュー作以降、観ていないというかこれ一本だ。

MTV的かどうかも分からないし、
やはりA24がバックにいることを思うと
見せる、見せないと通り越して、構造的に尊厳を毀損しうる野蛮な世紀の国を、アートとして提示することは、カポのトラヴェリングの逆回転において、この映画は、この生暖かい温室の環境(文化知性クソ野郎)をそのまま肯定しているだけではないか。地獄を目まで浸して歩く、醜い貴族たちの、魂なき沈鬱で退屈で平穏な凡庸=生を、構図としてそっち側の露悪であるのは言うまでもない。
このイギリスクソ野郎は、
せめて英語でそのドイツを撮ってみせればいいだろう。
A24組の Johnnie Burn & Tarn Willers の白い音響と色とりどりの花々が、一層よく死に絶えた天国を加工している。
天使よ、来なさい、おいで。
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