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映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐のtubameのレビュー・感想・評価

3.5
放送中の「仮面ライダーギーツ」劇場版。本編は4話くらいで早々にリタイアしてしまっているので、メインキャラの顔は分かるけど程度の知識で鑑賞。
なので純粋な映画単体での感想になるけど、予想外に凄く楽しめた(これを書いているのは2回目観賞後だけど、全然2回目もいけた)し、熱さとコメディパートのバランスが滅茶苦茶いい作品だな~と思った。


各々が違う世界にとばされて普段と違う扮装でアクションする姿は華やかだし、普段カッコつけてる(よね?)ギーツもとい英寿のおかしかったり情けなかったりする姿を4パターンも観れるのも楽しい。
英寿から貰った言葉で勇気付けられた仲間が今度は絶対絶命の英寿を救い、みんなのパワーを糧に敵に立ち向かっていくギーツ...っていう流れがヒーロー映画の王道そのもの。いいわ~。熱い。
本編観てる人だとまた違う印象なのかもしれないけど、個人的にはラーメン屋に入ってラーメン出てきたみたいな感じ。こういうのでいいんだよ、こういうので。
キャラクターも知らなくて見ても人となりや関係性が伝わってくる描写が多いし、全員に見せ場がきちんと用意されているのも好印象(おじいちゃんがライダーに変身するの知らなくてびっくりしてしまった。面白い)。


同時に王道やりつつ趣向も凝らされている。
敵が怖い感じじゃなく明るい迷惑YouTuberみたいな(?)愉快犯なのはとても新鮮だった。チョコプラの長田さん、ルパパトOGの工藤遥ちゃんはかなりはまり役。
本編観てないので福くん(ジーン)の立場がよく分からないけど、本作の物語外から観客に語りかけて一緒に応援するスタイルもプリキュアの妖精枠みたいで面白かった。エンドロールの英寿とツムリもだけど、観客を巻き込む仕組みがわざとらしくならない程度に巧く機能してたなと思う。
そうそう、次のライダーのガッチャードもいい感じに話に組み込まれてて顔見せとしてはちょうどいい塩梅だった。


...と良いところが沢山挙げられる満足度の高い作品だったのだけど、ラストのギーツと敵の戦いが閉鎖空間だったので急にスケール小さく見えてしまったのだけが唯一残念なポイントかなあ。これ以外の部分ではロケが凄く多くて豪華な印象だったので、時間的な制約があったのかな。最後のライダーキックの演出はとてもカッコ良かったけどね。


同時上映の「キングオージャー」がかなりシリアスだったので、ギーツの方は逆に王道戦隊映画っぽい雰囲気があるのが2本のバランスとして考えても良かった。いい夏映画だったと思う。
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