このレビューはネタバレを含みます
かけこみTIFF。ほとんど行かれなかったが最後に1本。
1977年スペイン、バスク地方が舞台。違法とされている中絶手術を合法化せよと運動する女性たちに加わっているベア。
あるきっかけで出会った同年代(たぶん)のミレンと、仲良くなっていく。
じゃれあったり、ちょっとしたすれ違いで口論が起きたりするベアとミレン。世界じゅうの仲良し女の子たち誰にでもありそうな光景も、より繊細で複雑で苦しい社会・家族・心理がマーブルのうずまきになって繋がる2人の関係性を思うと、ただ微笑ましく見ることができない。切なかった。
ベアは常に圧力に立ち向かい〝凛〟とあろうとし、大地にしっかりと立つ。あまりの、無念と無力さにその足元がくずれたときは私もこぶしを握ってふるえた。
でも、とりまく世界を諦めているように見えた大人も実は戦っていると分かり、大人も、子どもたちを個として尊重し行こうとする未来を受け入れていく。希望がきらりとそれぞれの行く手を照らす、いろんな意味で美しい作品!