ぽかぽか

ゆとりですがなにか インターナショナルのぽかぽかのレビュー・感想・評価

4.0
ホモソ感の強いクドカン脚本がまあキツいんだけどこの時代性と具体的なワード/要素をガンガン取り入れていって通俗さと下品さを進んで受け入れてどんどん加速していく感じ、許せちゃう。やっぱ映画は速度というか、あと2,3秒長かったらダルくなるなっていう一歩手前でちゃんとカットして次に進むから、例えばセクハラジジイが乗ったタクシーに木南晴夏が飛び乗ってくところとか、岡田将生が「俺は何も恥ずかしくない」みたいな演説するところとか、危ういシーンもカラッと処理される。あと本当に柳楽優弥の存在が素晴らしい。中国から帰ってきて一家の騒動を勝手に撮って中国の動画サイトに勝手にアップして儲けて、バレたらいつの間にか帰ってる。ラスト仏壇にカメラを設置しにいくPOVの映像がホラーモキュメンタリーな雰囲気あってゾクッとした。仏壇に設置することで日頃から遺影に向かって家族みんながこっそり告白していた様子が映し出されるのだけど、それがカメラで撮られたものという前提が共有されてるのでこう、グッと「告白」という密なる行為を「盗撮」するっていう後ろめたい緊張が強まるのが良い。女の子が転校するところの「うちらまだ小4じゃん?付き合うって言ってもせいぜい一緒に帰るくらいじゃん」「給食多めに盛ってあげたりねえ」「LGBTQ?とか多様性とかまだ」「分かりみが浅いよねえ」「けど、一緒にいて楽しいとかなら」「分かりみが深いよねえ」のとこほんと感動した。
ぽかぽか

ぽかぽか