はる

Dear Pyongyang ディア・ピョンヤンのはるのレビュー・感想・評価

4.0
在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督とご家族のドキュメンタリー。
1作目のこちらは大阪で暮らすヤン・ヨンヒ監督のアボジ(お父さん)を中心に、帰国事業で北へ渡った監督の兄たち家族との交流が収められていました。

ご近所のマンションの花壇に腰掛けるアボジ。そこは自宅がよく見える、アボジのお気に入りの一等席だそうです。お茶目でかわいいアボジでした。
オモニ(お母さん)はピョンヤンの孫たちに送る荷物をせっせと箱詰めしています。お店が開けそうなほどの学用品や医薬品でした。

1959年から始まった帰国事業で「地上の楽園」に帰国したはずが、すっかりやせ細ってしまった監督の兄たち。日本に帰ることが許されない兄たちが住むピョンヤンに、監督とご両親は万景峰号(マンギョンボン号)で訪問しています。

現地で行われたアボジの誕生日と結婚記念日を兼ねたパーティーには国中から多くの招待客が来ていました。アボジは朝鮮総聯の幹部として高い地位にいらっしゃる方のようです。
たくさんの勲章をつけて誇らしげなアボジとオモニでしたが、「全ては祖国のため、将軍様のおかげ」と皆が口を揃えて感謝を述べていました。

そんな祖国に違和感を覚える監督と、祖国に忠誠を捧げるご両親との複雑な家族関係が描かれていました。
北朝鮮での帰国者の暮らしぶりもとても珍しく、勉強になりました。
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