片腕ファルコン

Dear Pyongyang ディア・ピョンヤンの片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

3.9
「見ずに死ねるか!傑作ドキュメンタリー」というイベントで初鑑賞。

2006年の公開当時から知ってましたが全く興味持てませんでした。「オウム」とか「北朝鮮」とかタブーなネタは避けたくなりますよねぇ~。。

監督のヤン・ヨンヒ(在日コリアン2世)のセルフ・ドキュメンタリー。『かぞくのくに』っていう実体験を元にした劇映画もありますが、断然このドキュメンタリーの方が面白かったです。

今でこそ、皆がイメージを持ってる北朝鮮という国を90年代から10年くらい撮りためてあって、意外と貴重映像と思われます。

公開後、監督は北朝鮮入国が認められなくなりました。

ですが、大事なのはこのドキュメンタリーのテーマも<家族>特に朝鮮総連の元幹部の父との関係がドラマチックです。

普段は普通の親子のような会話であるが、思想の話になると全く噛み合わない2人。
3人の兄は結婚し北朝鮮で家族をもって暮らしている。
唯一独身のヤン・ヨンヒ監督。
父からは「早く結婚して韓国籍と取れ!アメリカ人や日本人とは絶対結婚するな!」と言われる始末。。

数年後、この父が倒れる事となる。この時、また結婚に関して言及するのだが、そのセリフに会場中が涙しました。自分も普通に泣いてましたよ。。

しかし、この監督、残念ながら未だ独身。久本雅美率いるWAHAHA本舗所属とあらば、もはや絶望的かもしれない。。(笑)

舞台挨拶で監督は「酒さえ飲めば国籍や思想なんて関係ない友達だ」と言っていたのが印象的でした。。

◆2006年マイベスト10位◆