囚人13号

コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版の囚人13号のレビュー・感想・評価

4.5
内戦時の恋愛というメロドラマをネオレアリズモではなくファンタジーとして撮ること。
ロープウェイという装置が見せる特権的な働きは男女を世界そのものから隔絶し、二人が小さな浮遊空間にて心身共に接近していくための手段であり、外界からの問いかけに対し女性の不在を偽ることは愛ではなく男の一方的な保身として描かれる。

ロープウェイの横移動はやがて男女を物理的にも遠ざけ、ラストはSF映画らしくもあるがやはり乗り物に乗って去っていく者と、それを追う者の決して縮まらぬ距離を空中と地上で反復する。
囚人13号

囚人13号