ゆきゆき

コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版のゆきゆきのレビュー・感想・評価

3.7
話の大筋は普遍的なラブ・ストーリーなのだが、内戦下のタジキスタンという舞台がこの映画を特異的なものにしている。

男女が愛し合うその背後には常に銃撃音が聞こえる。内戦下といえどそこには人々の変わらぬ生活の営みがある。しかし博打に興じるヒロインの父親など、その現実に対する諦めや閉塞感が根底にあるのではと思う。

劇中で何度も登場するロープウェイは、決められた場所にしか行けず空中に浮いているという不安定さという点で、とても象徴的。しかしラストはヒロインは車に乗って去り、それを男は自転車で追いかける。自分で行き先を決められる地に足のついた乗り物で行く2人を映した最後は、希望に溢れるものだと感じました。
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