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盗聴犯 死のインサイダー取引のtakatoのレビュー・感想・評価

4.1
 メロディーが聞こえる。悲しい男たちの生き様のメロディーが。「インファナル・アフェア」のスタッフがおくる見事なサスペンス物。


 インサイダー取引を追っていた男たちが、追い詰められてインサイダーインサイダー取引とでもいうべき物に手を染めていってしまう。ズボンがずり落ちてパンツ丸出し状態なのに、切ないシーンが撮れる映画人が幾人いようか!。そしてドンドン泥沼の状態へと堕ちていく、そっからケイパー物的なドキドキハラハラサスペンスになっていくのだが、これが実に上手い!。「ミッションインポッシブル」とかのやつは、正直全然乗れないのだが本作のは主人公たちにしっかり感情移入させるセットアップがよく出来てるから本気で心配になってしまう。

 そして、罪には罰が下る。黒幕の手で崩壊へと一気に堕ちていく恐怖の喜び。その果てに待っているラストの痛快などんでん返し、それでも満たされぬ悲しさよ。どんでん返しが単なるドッキリで終わらず、ちゃんと上がる展開になってるからズシンと心に刺さる。香港映画だけど全然アクションがなくてもここまで見せられるとは素晴らしい。
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