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Padre Pio(原題)
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『Padre Pio(原題)』に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

2.0
【アベル・フェラーラの聖人は政治だ】
日本ではホン・サンスの異様な製作本数が話題となっているが、アベル・フェラーラも負けていない。日本ではすっかり紹介されなくなった監督だが、コロナ禍だろうと毎年数本ペースで作品を発表している。彼は、信仰を失ったかのように見える年における信仰をテーマにすることが多く、クズ男の活動の中に見える救いを求める眼差しが好きだったりする。さて、今回はそのテーマにより踏み込んでいる。教会を舞台にした作品だ。期待して観たのだが、予算不足なのかかなり観辛い作品となっていた。

第一次世界大戦末期を舞台にサン・ジョヴァンニ・ロトンドにやってきたピオ神父を描く。彼は、人々の悩みに耳を傾け、救済しようとする。聖職者として全うしようとするのだが、戦争や政治の騒乱に巻き込まれていき大虐殺が発生していく。今まで、信仰を失ったような都市像を描いてきたアベル・フェラーラ。そういった地の中心に教会を置き、外部との接続で困惑する神父像を炙り出す。アベル・フェラーラなりのアプローチで『田舎司祭の日記』をやろうとしていることが分かる。これだけ聞くと面白そうなのだがら、『Zeros and Ones』同様、予算不足か撮影における障壁が多かったのか、全体的に画が汚く、スローモーションや寄りのショットで誤魔化しているような部分が目立った。折角の大虐殺シーンも、珍妙な角度から撮っているのだが、あまりハマっていないような気がした。教会が信仰外の政治や戦争と絡んだ時に、敬虔な者はどのように感じるのか。このテーマはまた別の機会で掘り下げてほしいなと感じた。
71s

71sの感想・評価

2.0
主人公ひとりと民間の事件は二つの部分に分けて、並行している。この二つの部分は無関係ように見えたけど、実際は民間の事件は主人公の血肉に向かい、気品の一部になった。見たことないのキャラ術じゃん。フェラーラの序列内も真っ新だ