猫宮

リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシングの猫宮のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

約1ヶ月前に観た『STOP MAKING SENSE』の余韻がまだ残ってるなかで観る。
自分の欲求に素直で、傲慢に見える程の自尊心もありつつ、ゲイであることを理由に父親に見放された事で、神に救いを求め、ロックンロールで承認欲求を表現していたのかもしれない。
セックスとドラッグに溺れ孤立しかけた恐怖から、真逆と言っていい牧師として活動するあたり、もの凄く人間臭い人なんだと少し微笑ましかった。そうやって、アイデンティティさえロール(変化し、また元の場所に戻る)して行く事も、音楽の形態・形式とは別に、リトル・リチャードとしての生き方自体もロックンロールと呼べるんだなと。1997年のアメリカン・ミュージック・アウォードでやっと受賞と共に「俺がロックンロールを創ったんだ」という欲求が承認された時の静かに泣くリチャードに、もらい泣きしそうになった。
猫宮

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