誰もがオチを知っている話をどうやって一本のスリラーに仕立てるんだ?と懐疑的だったが、コレがビックリ!素晴らしい怪作に仕上がっていた。
閉鎖空間でのモンスターパニック物の定石を全てキチンと押さえた上で、登場人物たちの生き延びるだけでは無い戦う意義だとか、失う物の痛みだとかを描きながら感情移入や高揚感を高めつつ、今風の人種やフェミニズムの問題も品良く織り込むなんて凄いのでは?
伯爵もお弁当持って出かけるんだな・・・以上の感想が無くて、男だらけの地獄旅で良かったのでは?と思わせた少女が、クライマックスに向けて存在意義を発揮するのも素晴らしかった。
もっとドラキュラの弱点や対策といった情報を彼女から聞き出さないのか?と思わせておいて、彼女が語らない理由をちゃんと描いているのも、そつが無い。
もっと容赦なく苛烈で残酷なラストでも良かったよな・・・と思ってしまった。
因みに、ドラキュラの容貌は『ノスフェラトゥ』の造形をリメイクしているのはグッとくるとして・・・この後、ミナ・ハーカーを口説きに行くんですよね?大丈夫?