ニカイドウ

ドラキュラ/デメテル号最期の航海のニカイドウのレビュー・感想・評価

4.5
ルーマニアからイギリスへ50もの積荷を運ぶロシアの帆船デメテル号がイギリスに到着した時、船内には誰もいなかった。はたして航海中、デメテル号の乗組員達に何が起こったのか…
現代ものじゃない作品って苦手やからどうやろうと思ったけど、はじめからなかなか面白い。
有名な西洋の城に住んで美女の生き血をすする吸血鬼ドラキュラの、原作にもある前日譚なんやってな。なるほど。
主人公クレメンスは黒人の医者で、なんかエディ・マーフィーのドクター・ドリトルを思い出す。全く関係はない。
まあまあ冒頭のほうやと思うけど、船長がクレメンスに「ボーナスを何に使う?」って聞いた時に、「欲しいものはお金じゃ買えない。世界を知りたい。人には善意があるはずなのに何故…(不幸な事ばかりが起こるのか…とかかな?)」って言うシーンがあって、そこで更に引き込まれた。
世界を知りたいって欲求は止められへんよなぁ…わかる。しかも答えなんてない。死ぬまで考え続けるだけ。あれほど厄介なものはない。笑
ただ、映画も含め、創作物の中に世界の断片を見出す事がたまにある。それが楽しみでもあるんやけど…まぁ、今作にはそれがあったかどうかはノーコメントで。笑
ストーリーはもちろん原作もあってしっかりしてるし、映像も素晴らしい。
新しさと派手さは少なめやけど、丁寧でとても面白い作品やった。
ドラキュラの姿がほぼゴブリンかガーゴイルかコウモリ怪人やけど、大量の人間の血を吸いまくって後にみんなの知ってる…城とマントの似合う美形ドラキュラに成長するのは、また別のお話って所なんで、ぜひ続編作ってもらいたい。
原作読んでないんでわからないですが、原作無視したとしてもクレメンスが主人公で映画化してクレメンス。…ごめんなさい。
…死霊伝説観たくなった。
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