このレビューはネタバレを含みます
コロナ禍の中で、…TVのワイドショーの情報に踊らされ不安と怖さが押し寄せた頃…何処か息苦しさを感じながらも何が正解なのか分からなくなってた頃を思い出した。
正論が正義。それに従わないのは悪と感じさせられた頃。
冒頭で道端で酒を飲むおじさん達に正論をぶつけ注意する高校生。
花子を上から目線で馬鹿にして全否定する助監督。
それを言わせてからフォローするズルいプロデューサー。
自分が正しい。それ以外は認めない人って何であんなに否定する言葉が上から目線なんだろう。
花子は監督になる夢があるけど、自分の想いや感覚を言葉にするのが苦手なタイプだと思う。
正夫は、世の中の不条理の中で生きにくさを感じながらも毎日をマイペースに生きている。
そんな、不器用な性格の2人が出会う。
チグハグな会話にも、自分を否定せず自分を分かってくれる存在として共感し合えた2人。
結構シリアスな話も出てくるけど、正夫のマスクや兄弟の赤い服などクスッと笑える場面が何度か有りホッとする。
都会では気の弱そうな花子が田舎では本音をガンガン話す娘や妹に変わるのが良い。
3兄妹と父親。そこに何故か静かに正夫がいる。
いつのまにか、家族に混ざってる感が良い。
結局、家族愛の話だったと終わって気が付いたけど…それも良い。