EDDIE

愛にイナズマのEDDIEのレビュー・感想・評価

愛にイナズマ(2023年製作の映画)
4.2
1500万円は大金か、端金か。
「そんなのあり得ないから」と映画監督折村花子を一蹴する露悪的な存在が歪かつ不自然さを醸し出していたが、物語の進行に従い全体構造が見えてきて一貫したテーマ性に溜飲が下がった。後半は感情そのままに楽しめた怪作。

考えれば考えるほど、「凄い映画なんじゃないか?」って思いが高まってきます。
映画という“フィクション”の持つ可能性を最大限に引き伸ばしてくれる作品。
「そんなこと言わんやろ」みたいなキャラが次々と出てくるのもフィクションだから為せることで敢えて狙ってやっていると感じました。

それぐらい凄かったのが前半を牽引した2人のキャラクター。
MEGUMIと三浦貴大ですね。

ホントこの人たちのせいで最初は全然物語に入り込めませんでした。
超イライラした!
でも後半にこのあたりの露悪的かつ不自然な描き方をアンサー提示してくれたので、後半一気に巻き返してくれたという印象。
僕はこの作品、わりかし楽しめました。

後半は完全に家族の再生物語になっていて、後半を牽引するのが池松壮亮ですね。
彼は本当に素晴らしかった!
俳優陣がみんな演技をしているような演技をしているというのでしょうか。そんな中でひときわ輝くぐらいに演技してるんですよ。
そんなわざとらしさが実に物語を活かしてて、そこからのクライマックスの高良健吾とのくだり凄く良かった!

〈キャスト〉
折村花子(松岡茉優)
舘正夫(窪田正孝)
折村誠一(池松壮亮)
折村雄二(若葉竜也)
落合(仲野太賀)
携帯ショップの女(趣里)
ホテルの社長(高良健吾)
原(MEGUMI)
荒川(三浦貴大)
バーのマスター(芹沢興人)
佐々木智夫の声(鶴見辰吾)
配送会社の社長(北村有起哉)
鬼頭三郎(中野英雄)
則夫(益岡徹)
折村治(佐藤浩市)

※2023年新作映画147本目
EDDIE

EDDIE