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愛にイナズマのKOZOのレビュー・感想・評価

愛にイナズマ(2023年製作の映画)
4.4
これは何度も予告編観た。楽しみにしてた、あの家族でアベノマスク付けてのわちゃわちゃってこうだったのね(笑)

石井監督がコロナ禍を描いた『茜色に焼かれる』は尾野真千子を観る映画だったけど、今作は松岡茉優を観るだけでなく、豪華な出演者たちの演技を楽しめた。
窪田正孝、今年何本目だろう。空気が読めないけど情に厚い。松岡茉優との出会いのシーン、バーのマスターの芹澤興人を含めて最高だった。
佐藤浩市、『春に散る』も良かったけど、ダメ親父に見えて…泣かされた。
正反対の性格の兄弟、池松壮亮&若葉竜也もピッタリ。若葉竜也の職業にちょっと驚いたけど、後でいろいろ効いてくる。

脇役で印象に残ってるのは、安定の下衆さの三浦貴大。春に観た『Winny』は正義感に溢れてカッコよかったのに。
中野英雄と太賀の出番は別の親子共演は確か前にもあったはず。「愛という名のもとに」のオマージュ!?にビックリ。

石井監督の前作『月』を観た後に監督のインタビューを読んだ。社会の不条理や理不尽に対し「見過ごすことができない」、「無かったことにできない」が共通のテーマか。『月』はとことんヘビーだったけど、今作はコメディ。正反対だけど笑いだけでなく怒りに加えて家族愛が。ラストにじんわり。
時々うーむ…という作品もあるけど、この2本はどちらも良作だった。
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