アンソニー

愛にイナズマのアンソニーのネタバレレビュー・内容・結末

愛にイナズマ(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

総合すると面白かったです。
でも、個人的には少し惜しい
ポイントもいくつかありました。
全体的にもっと家族にスポットを
当てても良かったのかなぁと思いました。

最初、映画制作をしている主人公を
結構な時間をかけて描いていくのですが
ちょっと長いかなと思いました。
あそこまで作家魂みたいなところを
描写するのであればもっと
中盤、終盤も映画に対する熱い想いを
描く必要があるのかなと思います。
中盤以降、家族の問題が解消されていく
ところがメインになっていくので
カメラで撮ってるのも主人公では無く
男の子の場合の方が多い気がしました。
カメラを通すと違う景色が見えると
言って熱く語ってたんだから
最後まで撮ってて欲しかったと思いました。
それか、序盤はほどほどにして
早めに家族のシーンへと移るのも
ありなのかもしれません。

一つ一つのストーリーはとても面白く
キャラも立ってて良かったです。
父の過去も良くてちょっと泣きそうに
なりました。
なので、このストーリーたちが活きる
ような構成になったら
もっと自分は楽しめたかなと思います。
バーのマスター好きです。

後、これは完全に個人的なものなんですが
ラストの方で兄が社長と俳優の接待する
みたいなシーンで妹を馬鹿にされて怒る
場面があると思うのですが、
あれは兄が悪く無いですか?
普段の自分の扱いからして
無名の監督の名前出しても
どうにもならない事ぐらい分かります。
俳優の方なんて知らないと言っただけで
暴言吐かれて可哀想です。
そりゃ知りませんよ。
さらにその後、社長が馬鹿にしたから
キレたって言いますけど
それなら最初から社長だけにキレてくれ。
俳優巻き込まれ事故やん。

冒頭の映画撮影のシーンとかも
主人公が自分のやり方がある!と
意見する場面。
確かに脚本は主人公のものだし
主人公が監督なのも分かるんですが、
1500万という大金を用意してくれるのも
ロケ地を借りてくれるのも
俳優を準備してくれるのも
映画会社の方です。
自分の作家性を捨てろとまでは言いませんが
もう少し郷に従ってもいいのかなと
思いました。
確かに、客としては物事に理由がある方が
スッキリしますし
下見でプロデューサーにセリフ読ませて
カメラ回しまくるのはダルいかなぁと
ちょっと思っちゃいました。

何が言いたいかと言うと
自分も作品を作る身として
創作論みたいなところに自分なりの
ポリシーがあるので
フィクションの映画内の事とはいえど
すごく気になってしまうし
そっちに引っ張られてしまう。
だから、この作品が悪いというより
自分が変に突っかかり過ぎなんだと
思います。
すみません。