〝あり得ない〟と一蹴された我が家族の物語、その悔しさを壊れた家族との10年ぶりの再会&ドキュメンタリー映画にぶつける新人監督◦花子。
本物か偽物かもわからない感情、意味不明な赤wけれど彼女が構えるカメラに映る突拍子もない現実と、そこに存在する愛を確かめ合う家族の肖像になんか泣けてきた…
めちゃ大好き！
たかが家族、されど…な煩わしさや愛おしさを不毛な会話、と言うか口喧嘩の中で描きながらも、ふとした沈黙や静寂にその本質が露になる。
神も仏も介入できない家族だけの何かを共有し心通わせる瞬間、その嘘のない表情がジンワリと沁みてくるし、中盤以降やや影が薄い正夫もそんな家族の愛の緩衝材の様な役割になってたw
器用に世渡りできず押し潰されそうになりながらも情動で共鳴する花子と正夫。雷に打たれたような、やや出来過ぎな惹かれ合いは『夜空はいつでも最高密度の青色だ』を彷彿とさせるけど、石井裕也監督が描く人間の敏感過ぎる感受性はやっぱ好きやな〜って、あらためて思った。
まあ嫌な人間があまりにも型にハマり過ぎだったり世知辛過ぎるのは気になったし、もう少し二面性ある描写があっても良かったかなとは思う。
けど日常に溢れる〝そういうもんだよ〟に抑え込まれた自分を解き放ち、反撃に出る花子が口は悪いけどカッコ良かったし、激情に応える松岡茉優さんがとても良かった！
あと豪華キャストの贅沢な起用も楽しかったし、中でも趣里さんの使い方、最高でしたw
