圭佑

愛にイナズマの圭佑のネタバレレビュー・内容・結末

愛にイナズマ(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

何の前情報もなく思い立って観に行きました。
タイトルから恋愛ものかなと思っていたら、
全然違って良い意味で裏切られました。

コロナ禍を経て、鬱屈した社会に対する怒りや、社会で生きていく時に立ちはだかる不条理に立ち向かう話でした。
立ち向かうけど、立ち向かうけど、ちゃんと見返せていないところが良かった。
そんな単純な社会じゃないこと、みんな分かってるから。

自分の信念が普通ではない、変わったものとして、理由や原因を求められる。あり得ないと簡単に片付けられてしまうことが実は、理由もなくあり得ることだったりする。

イナズマのように恋に落ちる男女。
これもあり得ないようで実はあり得ることだったりする。

映画の後半は家族が再生していく物語になっていく。
ある日突然消えた母親、暴力的な一面があった父親、
それぞれに子供たちが知らなかった別の一面があり、
それが明かされていく。
メッチャ雑にまとめると、生きてる間にちゃんと親孝行した方がいいよという話。

その中でハグをするシーンが印象的。
愛を伝える1つの手段としてのハグ。

上映後のティーチインで、監督がこの脚本は2月に2週間で書き上げて5月にクランクインという、それこそあり得ないスケジュールで撮ったと言っていた。
その短時間で作った勢いがそのまま映画に現れていた。

コメディという割には笑えるシーンは多くはないし、
感動して泣けるシーンも多くはない。
自分は泣けるシーンはなかった。

それでも良い映画を観たという印象はのこる。
役者さんの演技に引っ張られたのか、脚本の勢いに引っ張られたのか。

最近は同世代の監督がすごく頑張っていて、
応援したくなるし、自分も頑張ろうと思う。
圭佑

圭佑