ヤマニシ

愛にイナズマのヤマニシのネタバレレビュー・内容・結末

愛にイナズマ(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

 ぼんやりとあらすじを見てたときは、打ちのめされた映画監督が再起を図ってすごい作品を撮ろうとする的な話かと思ってたので、中盤から普通に家族ドラマが始まってうーん、思ってたのと違ったなという感じ。作品が世に出ることはなく家族の中で完結してしまって、序盤のモヤモヤは解消されないままなのが残念。あと個人的に大きな声で自分の主張をするシーンがある作品はあんまり馴染めず。相手の言うことをきかずに言いたいことだけいうのもなぁ、と思ってます。主人公が打ちのめされた理由が企画を奪われたりとかなのも陳腐に感じてしまう。自分はまっとうに努力しているのに周りに妨害されてきちんとしたものを作れないんだ、きちんと作れたら評価されるはずなんだ、みたいなのはよくある展開だけど、主人公の挫折の理由が外在的だと主人公にイマイチ同情できなくなってしまう。どうしても映画である以上作り手の意図が入ってることは念頭にあるし、真っ当に努力してまともに勝負してそのうえで打ちのめされるのであれば残念だったねとこちらも思えるんだけど、全部他人のせいで努力がパーになりましたって展開は主人公に悪い部分はなくて他人に責任を負わせる作り手の意図が感じられて好きになれない。あと、主人公たち以外のキャラを露悪的に描きすぎで、主人公たちを持ち上げるために作中で正しい側においてそれ以外を道徳や倫理の欠けた存在にするのが嫌。携帯ショップの店員さんにマニュアル以上の対応を求めて悪者みたいにするのはやめてほしい。マニュアル外の対応を一回やっちゃうと、あなた方以外にも例外対応をする必要がでるんすよ。対応策を提示している以上は従ってほしい。謄本とるだけならそんなに大変でもないだろ。なんかこう、ルールよりも人情を優先しようとするスタンスがどうも好きになれん。腹が立ったから殴りに行くぞ、みたいなのを肯定するのも好きじゃないな。確かに腹が立つけども殴って気分が晴れたからなんだっていうんだ。
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