アイビーアイ

北極百貨店のコンシェルジュさんのアイビーアイのレビュー・感想・評価

5.0
豊かな映画でした。音楽、色彩、動きが渾然一体となってアニメーションを観ることの快感に溢れていました。

絶滅した動物の接客が軸の百貨店漫画という原作からして癖のあるフェチズムで組み上がった作品で、内容としてはコンシェルジュとしての仕事劇と、もう一つ消えていったものたちへの哀悼も含まれていたように思います。1本の映画にするにあたって今作は「百貨店」をよりメインに据えていて、従業員に顧客にと様々な要素の詰まった百貨店の豊かさを真っ直ぐに描き出していました。

「百貨店は幸せになるために来る場所である」という、人によっては理想的すぎると感じるようなメッセージをハッキリと真摯に込める姿勢が好ましく、大手百貨店がエンドロールに並ぶ姿にもある種感動を覚えました。観ることでコンシェルジュを目指す人がいるといいなと、そう思える映画でした。
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