柾木嶺

北極百貨店のコンシェルジュさんの柾木嶺のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

動物が客の百貨店で働く新人コンシェルジュの奮闘話
子供に見せたい情操教育に良さそうな作品
テーマとしては「他人のためを思って行動すれば世界が変わる」みたいなところ

ただ1番面白いと思ったのはこの百貨店の背景設定だ
百貨店が重視しているのは「絶滅動物たち」

人間が大量消費の欲望の過程で絶滅させてきてしまった動物に対して、その欲望の塊である百貨店で豪遊してもらうことで贖罪を行うために北極百貨店は作られたという
だから人間はあくまで従業員で客にはならない

途中カリブモンクアザラシのクソクレーマーが過剰なサービスを求めた挙句「サービスって何か知ってる? サーバント、つまり召使いからきてるのよ?」とお客様は神様ですムーブをしてくる
作中では客を付け上がらせる不要な優しさを見せた主人公が悪い、と言われるが、本当にそうだろうか?

この北極百貨店は現実と地続きでありながらファンタジーな世界であり、絶滅動物がいるということはある種の天国のような場所なのではないかと思われる
(まあそうすると人間の子供がいる理由がわからないのだが)

そこで人間を召使い扱い、いや奴隷扱いすることには一定の正しさがあるのではないか?
柾木嶺

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