片腕マシンボーイ

札束と温泉の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

札束と温泉(2023年製作の映画)
3.4
な、なに〜!長年「人狼ゲーム」シリーズの原作脚本を書き続け、前作「人狼ゲーム デスゲームの運営人」では監督にまで上り詰めた川上亮の完全オリジナル新作やとぉ?素晴らしき珍作の匂いがぷんぷんするね!って観てきたぞ!

修学旅行で泊まっている温泉旅館で2000万円の入った鞄を手に入れた女子高生の仲良し4人組!もちろん危険なお金で、教師、ヤクザの愛人、殺し屋?を巻き込んだ争奪戦が巻き起こるぞ!って話

うむ、もちろんグダグダな脚本に上手くは無いキャストと、クオリティの高い作品ではない……ものの!これぞ本物のB級映画の妙やぜぇ、ってな怪作でしてね!
同日に観た潤沢な予算と豪華なキャストを使いながらB級っぽさを繕ったあざとい珍作よりも俄然見どころの多い作品でマシンボーイはほっこりしましたとも、ぺろぺろ

まぁこれ系の金争奪戦映画はよくあるんですがね、本作には、お!さすが傑作「人狼ゲーム」シリーズを書き続けてきただけあるぜぇ!ってな他とは違ったポイントもたくさん用意されていましてね!
うむ、現金の争奪戦のみならず!謎の脅迫者の存在が大いに場を掻き乱すのであります!
あとなんと言っても争奪戦の参加者の大半が普通の女子高生やからば、ちゃんとお金を返さなきゃダメだよ!っつ〜のがメインの物語になっているのも殺伐とさせ過ぎない独特の味になっていて良かったですねぇ

キャストは誰も知らないし演技も決して上手くは無いけど、皆キャラが立っていて素晴らしかったと思います、序盤は、あれ……これ誰が誰かわからんくなる系か?思ったんやが、いざ話がゴチャゴチャしてきてもそれぞれのキャラがしっかり使い分けされているもんやから全然わかりやすかったです!
そうねぇ、マシンボーイは女子高生4人組の皆をまとめるしっかり者の子と、同じく4人組のトラブルの元凶を引き起こすジャージの子のふたりが好きやったかなぁ!殺し屋のお姉さんやヤクザの愛人ギャルも良いキャラしていたし、蚊帳の外でアタフタしている番頭さんも良かったね!

まぁコメディ要素はかなりすべっているシーンも多く、序盤の温泉のあがり方問題っつ〜ニッチな悩みを天丼させたんは謎過ぎたし
殺し屋お姉さんと、人質となったダンサー志望の女子高生のやたら距離感のバグった会話シーンとか素人感が凄かったね!急に会話の内容で距離を詰める女子高生に……そんな会話は5度目くらいに会った時にする話や!言いながらパーソナルスペースを5度目やろうが勘弁して欲しいレベルまで詰める殺し屋お姉さん、もしかしてそこでも他人とは感性が違う的なアピールをしていたのか?
やたらと他人を脅迫したがるあの子も無鉄砲過ぎてどうかしてるし、そ言えばせっかくの修学旅行なのに他の子達は皆部屋に籠り過ぎじゃね?
でもそんな決してクオリティ高くない作品ながら、むしろ熟れたいやらしさとかは一切なくてすべってむしろ清々しいくらいの爽やかな作品でしたね、マシンボーイは非常に好きです!

あのヤクザの愛人がどうなったか?だけはちょっと胸が苦しくなるが……、まぁ基本的に平和でハッピーな終わり方やったからば、マシンボーイはスッキリしたってばよ!最後は皆でお風呂入って全部お湯に流して欲しかったけど〜
そして川上監督にはとりあえず「人狼ゲーム」の新作なんとかせぇよ!なる反面、定期的にこの手のB級映画を撮っていって欲しいねぇ、とは思える良作でした、オススメ〜