おじさん

タイタニックのおじさんのネタバレレビュー・内容・結末

タイタニック(1997年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

何回この映画を観ても慣れない、圧倒的に美しいレオレオとケイトウィンスレット。2人が映るカットはどれも絵画みたいでうっとりする。

10回近く観て、いつも、身分違いの2人のラブロマンス映画として、あるいは悲恋を絡めたパニック映画として…主演2人の美しさや、ジャックという役の魅力、貴族たちの浅はかさ、やるせなさ、、などばかり感じていたけど、久しぶりに観返したらまた全然違う感想が出てきたのでメモ📝


「持ち物を競売に出すの?知らない人の手に?」というローズ母。ジャックへのお礼に紙幣を渡そうとしたり、ローズへ高価なネックレスをプレゼントしたり、金庫を気にかけるキャル(後に暴落で財産を失いピストル自殺)。いい服を着ることで身分を証明していないと門前払いされてしまう一等客フロア。
やたらと物質の価値に重きを置く登場人物たちに対して、ローズとジャックはどうだろうか?

序盤のポーカーで全てを賭けてしまうほどのジャックに出逢い、絵画を買い集めていたローズも徐々に「経験」に重点を置くようになる。

愛し合っていながら、2人はプレゼントを贈り合うこともない。唯一渡した物質であるスケッチも、その物の価値ではなく「それを描いていた時間」を大切にしているから、キャルへの皮肉メモとともに金庫にしまい込む。でも2人には船首でみた景色、過ごした時間、愛情があるから、もう十分すぎるほど豊かなんだなあ〜。

何もかも沈んでなくなってしまったけど、84年経ってもすぐに取り出せる、一生心に残り続けるものをローズは手に入れられたと思う。最後凍死したジャックの手を離して沈ませてしまうのが今までずっと理解できなかったけど、今回は違和感を感じなかった。
ジャックの言う「いまを大切に」とはそういう意味だったのかも、と思う。
おじさん

おじさん