伊達巻

ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)の伊達巻のレビュー・感想・評価

4.5
今日アンナ・カリーナの誕生日なんだな。観れて良かった。おれって幾分ゴダールに恋しちまってんのかもなぁ、と少し前に気付いてそれを再確認。やはり恋しちまっている。憧れとも嫉妬とも単なる恋心とも違うような、(大半は全く理解できない)ゴダールの映画を観たり、ゴダールが(自分にとって)大切なことを話したりしてるのを画面越しに見ていると、どうにも救われた(もしくは永遠に救われない)気分になって泣きそうになったり、或いは遂に何かを発見させてくれた気になって嬉しくなったりして、激しく心が動かされた後に、いつもかれの存在の輪郭のない重さを受け止めている気がする。ゴダールの映画で現代の孤独を知り、そしてその孤独に苦しむことになってしまったこの人生、恐らくこの先も彼の映画に裏切られたり悩まされたり救われたりするんだろうが、両腕いっぱいの永遠の感謝と愛と反抗を、いまもなお映画の中に生きるゴダールへ捧げていきたい。個人的にはもっと!ってところで終わってしまって若干の物足りなさが無くはない。ぜんぜん3時間くらいあってよかった。でも理屈抜きで面白かった。マルグリット・デュラスと話してるゴダールなどの貴重な映像もてんこもり。予告で「映画界の異端児(マージナル)ですね」って言われたゴダールが「でもページを綴じるのには余白(マージン)が必要だ」って返してるところからして既に泣きそうになっていた…
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