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ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)のrebのレビュー・感想・評価

3.3
2022年9月、スイスで安楽死し91年の生涯を閉じたゴダール。
本作は彼への追悼を込めたドキュメンタリーだとばかり思っていたが、驚くことに本作が上映されたのは2022年9月のヴェネツィア国際映画祭。ゴダールがこの世を去る直前の上映だったのだ。
なので本作の最後、ゴダールは自分のアーカイヴと機器、蔵書を手放し身軽になって再出発し、仕事はまだ終わらないと綴られている。
沢山のゴダール作品の中で、私が観たことあるのは数えるほどしかないが、私のような者でも本作はとても分かりやすいドキュメンタリーだった。
今まで点としてしか観ていなかったゴダール作品が、はっきりと色分けされ、彼の人生の中でどんな意味を持って存在していたのかが、少しばかり理解できたような気がする。
アンナ・カリーナ、アンヌ・ヴィアゼムスキーそしてアンヌ=マリー・ミエヴィルという歴代のミューズたちと共に、自分の作風を常にぶっ壊しながらしか先に進めなかった反逆児ゴダール。
今までちょっと敬遠していたジガ・ヴェルトフ集団時代の作品にも手をつけてみようかなぁ。
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