Chikamo

ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)のChikamoのレビュー・感想・評価

3.6
 才能があって他と見えるものの違う人の孤独が全編に漂っており、とても寂しい気分になりました。
 作品を通してゴダールに触れるというような構成ではなく、人としてのゴダールを追いかけていると言いますか。家族との断絶、参加した政治運動の理解されなさ、何本撮っても初期作品より評価されることのないその後の映画……そういう彼の歩みを見た後に聞く晩年の言葉は、胸に突き刺さる氷の刃のようでした。
 ただこれも編集した人の切り取ったゴダール。ここには現れていない彼もいたのだと思いたいです。
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