Makimaki

ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)のMakimakiのレビュー・感想・評価

4.0
「勝手にしやがれ」から「映画史」までわかりやすくて興味深く、ドキュメンタリーとして良くできていると思う。
映画は初期作とパッション、マリア、を観たくらいで、ゴダールの人生についても、二度の結婚くらいしか知らなかった。
ゴダール関連の文献を読み漁っている人には知られた話かもしれないけれど、私くらいの知識の人の方が多いと思うので、この機会に一本でもゴダール映画を観た人にはおすすめしたいです。
気難しいとは寂しさの裏返しだと思う。
理解されない物を取り続けるのは理解して欲しいからではないのか。
結局デビュー〜初期作があんなに鮮烈なのは怖いもの知らずの若さとただがむしゃらに映画を撮っていた気持ちからで、それを自ら批判することで、自分の才能に蓋をしてしまったように見える。
政治への傾倒も、新しい物を作らなきゃいけない、という焦りからに見えてしまった。
後半は映画を撮りたいという原点に戻ったようだったけれど、ゴダールが彼自身の作り上げた監督ゴダールの呪縛に自死という形でしか決着をつけられなかったのは残念で、それこそいかにもゴダール的だったのは皮肉だと思う。

ゴダールの初期作はあまりに若くて気恥ずかしささえあるけれど、そう思うという事が歳をとったんだな、と思う。
だけど10代で観た時の衝撃はずっと忘れません。
改めてありがとう。
Makimaki

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