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ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)のSEULLECINEMAのレビュー・感想・評価

4.0
ゴダールは結局、矛盾の塊みたいな人だったんだと思う。目立ちたがり屋だけど孤独で、女好きだけどミソジニーで、作家でありながら作家を否定し、映画の芸術性を求めながら誰よりも映画を破壊しようとした。彼のハリウッドに対する姿勢は愛憎入り混じった複雑なものだけれど、その姿勢はハリウッドに限らず全てのものに対する姿勢だった。矛盾する2つのイメージを衝突させて別世界を創造するといういとなみが映画の本質なのだとすれば、ゴダールはまさに映画そのもののような人だったんだと思う。彼は矛盾を矛盾のまま提示する勇気を持った強烈な映画作家だったからこそ、彼を理解するのは難しく、崇拝され、憎まれたんだろう。そう考えると、彼が自分の人生に自分で終止符を打ったというのも理解できる。
あと、この映画を通じてゴダールは煙草が何より好きでHONDAに乗っているということがわかった。
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