タイムループものとして新しい試みではあった。
けどそれだけだな。
タイムループ設定はもう完全解答が出来上がってるんだもの。何か決定的な事象を回避するために、もしくはループから脱出するために巻き戻る時間の中でトライアンドエラーを繰り返す。
作品全体としての起承転結ではなくて、作品の中で起こる小さな出来事の起と承をすっ飛ばして展開と結論を次々と味わうことが出来るってのが醍醐味だと思うのさ。簡易ドーパミン摂取。
なんだけど、この作品はループ自体が契約の上成り立っていてその目的も明確、その上VRを活用した単なるシステムというのもわかっちゃっていてトライアンドエラーが起きない。途中からは死刑囚と執行人がダラダラと馴れ合うだけ。新しい展開も緊張感もなく完全に蛇足。
そもそも馴れ合う展開も理解できない。復讐なんて虚しいものだよ、数回裁いただけでもうお腹いっぱいですよ、というメッセージなのか知らないが、せめて動機を知るなりなにかしら清算をしようとしないか？何度も殺したいと願って契約したほどの相手だろ。
彼女との出会いの謎も、誰から逃げていたのか、なぜ死にたがっていたのか、犯人は誰かの指示を受けていたが、、諸々の設定もまったく回収されないし、モヤモヤだけが残った。
