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ペナルティループのchiのレビュー・感想・評価

ペナルティループ(2024年製作の映画)
3.5
荒木監督と若葉竜也さんの初日舞台挨拶付き上映で鑑賞。
荒木監督の前作「人数の町」がかなり苦手で今作も好きじゃないんだけど、最近人気のタイムループに復讐が絡んでいることで新しい視点の面白さはあった。本作は恋人を殺されてタイムループする話だが、ちょうど今週最終回を迎えたドラマ「めぐる未来」も妻を殺された主人公がタイムループする話で、通ずる部分があった。本作の面白い視点って、繰り返すことで殺人という行為が軽くなっていくところ。最初は本気の復讐心で殺してたところが、途中からまだ終わらないのかよって若干投げやりになって来て、さらには相手との関係性にもある種の仲間のような奇妙な変化が生まれてくる。これはタイムループしてるという自覚があるのが自分だけじゃないからこそ起こりうる変化で、このタイムループは◯◯だったわけだけど、これって復讐心をおさめるにはたしかに多少の効果があるのではと思った。「めぐる未来」とは描いているテーマが全然違うんだけど、何度も殺されるというのと、何度もループすることで死が軽くなる(めぐる未来では段々妻が死ぬことに慣れていく、殺されてもまたループできると思ってしまう)感じが共通しているなと思いながら見た。
話を分かった上で2回目を見ると面白いかも。
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