このレビューはネタバレを含みます
極限まで面白くした世にも奇妙な物語という感じ。
若葉竜也が気怠げな青年役というだけで良作だと予感できるが、今回はタイムリープものということでどんな化学反応が起きるのかと期待を胸に鑑賞。しかも敵役は伊勢谷友介。
最初は恨みあっている2人が、協力して抜け出す方法を探り合っていくのが面白く、ときにシュールで、ときに手に汗握る展開に振り回されてとても楽しめた。
どうしようもなく憎たらしい犯人でもないところがさらに謎の感情をもたらしてくれる。結局、復讐の心理も衝動的なもので、繰り返せばその虚無感がわかるというのがメッセージだったのかなと勝手に解釈した。現実とどれくらいリンクしているのかだったり、細かい説明はかなり省かれているので、鑑賞後にクエスチョンマークと共に余韻に押しつぶされる。ただ90分という駆け足で完結したにしてはあまりにも詰め込んだ余白が多すぎる気がした。
設定されたシチュエーションで復讐するものとして、昔読んでいた「助太刀09」という漫画を思い出した。懐かしい。
現実の犯人も絵を描いていて欲しいと思う。
ベッドサイドに置いてあった「クレーの日記」はどういう意味だろう。