Kaz66

ペナルティループのKaz66のレビュー・感想・評価

ペナルティループ(2024年製作の映画)
3.5
ウノコレさんの同級生:荒木伸二監督の「人数の町」に続く第二弾。これで2本続けてのオリジナル脚本作品は、インディ製作と言えども今の日本ではなかなか珍しい状況です。
今回も近未来の“ありそうな”ディストピアを描いてて、そこで印象的な主役を務めるのは若葉竜也。「市子」や現在放送中のTVドラマ「アンメット」での演技にも共通する、言葉ではない表情や視線で語れるいい役者さんです。
恋人を失った悲しみの中、ある機関との契約で得た『VRで復讐』を複数回行う権利。
繰り返される『おはようございます。6月6日、月曜日。晴れ…』というナレーションと花言葉で始まる復讐の一日。
毎回多少の違いはあれど、工場に出勤して、恋人を殺した犯人(伊勢谷友介)に復讐し殺害する、同じ日が繰り返される毎日。
手順にも慣れ、犯人に親近感もわき(伊勢谷友介も事情がわかるようになって)、“こんな事では悲しみから抜け出せない”と分かってても契約上途中解約できない…というタイムループもの。
“人の死”を人の手で下す『死刑(執行)制度』なんかに対する監督の思想などが詰められてるのでしょうが…、たしかに“今までのループもの”とは全く異なる興味深い一本になってました。
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