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リバウンドのmatchypotterのレビュー・感想・評価

リバウンド(2023年製作の映画)
4.0
新宿のピカデリーでやってるからそこそこ規模が大きい作品で思い切ったな、と思っていたけど、30〜40館規模だった。

よく行く新宿ピカデリーを中心にMOVIXなど松竹系に特化して宣伝しているのか、なかなか宣伝上手な作品。

“韓国版リアルslam dunk”と聞いて、そりゃ観に行くしかない、と。
結構前から予告編観てたから結構楽しみにしてた。

実話ベース。
高校生バスケで、実話で、スポコン系、だからもう、話としてはドラマチックでハートフルであることは約束されてる。

“選手が6人しかいない廃部寸前の高校生バスケットチームが全国大会で前代未聞の成績を納める”。
こんなの、感動するしかない。

もともと廃れてて先もない部活。
高校側は、無くすのはさすがに、と、“形だけ”残すために、適当に肩書きがあって適当にやってくれそうなコーチを任命し、適当に選手集めて適当に練習しとけ、と。

一方で、やるからには、と息撒き始めるコーチ。
コーチがあちこちからそれなりの選手を連れてきて、もう特訓開始。
適当な“形だけ”を見返していく、、、。

かと思いきや、それはそれでそうは問屋が卸さない。
そんな簡単な話ならドラマチックでもなく、映画にもならない。

選手の頭数も、そもそも部活の存続自体もジリ貧で。
集めた選手は諸々の都合でまとまり悪く、良い選手が来たと思えばそれももろもろの事情。
とにかく前途多難が過ぎる彼らの部活動。
始動したかと思えば試合でモメる。

だからこそ芽生えるモノがあり、陽の光が当たる場所があり、成長できる場となる。
6人の選手のうち、元々ちゃんとした“経験者”と呼べるのは僅かに2人。しかも、そのうち1人は故障持ち。

でも、そんな文句を言ってる場合でもなく、替えの選手などいない。

だけども、コーチの思い、彼らの思い、“バスケが好き”だと言う気持ちが、自分たちを変えていく。

良い選手は良い環境、将来有望な有名な学校に寄っていってしまう学生スポーツの通説に立ち向かう。

よくサッカーとかでも格下のチームがトップチームを打ち負かしたり、反則で退場者が出て人数的に不利になっても負けない試合は多々ある。

あれって“火事場の馬鹿力”というのか、“人数が少ない方が1人あたりの責任が増してそれまでにない個人の力が発揮される”的な心理学的な行動心理、人の深層心理の変化が個人の肉体や集団行動に影響を及ぼすこともあると思う。

このチームも、無いモノを嘆くより、あるモノでやるっきゃないという精神がコーチや選手を奮い立たせてる気がする。

例え、他の有名校よりもネームバリューが無かろうと、人的に不利だろうと、経験不足だろうと、コートに立てば皆同じ。

ボールを奪い、攻めて、1点でも相手より多く点を入れ、1点でも多く守り、相手の点を防ぐ。ただただそれだけ。
その想いと回数が強い方が勝つ。

そして、何より“好き”であり、“楽しむ”こと。
怪我に苦しんだり、環境を憂いたり、自分の能力や経験の無さを嘆いたり。
色々あれど、この気持ちが1番自分たちを強くする。

このメンバーでやるっきゃ無い。
誰かに甘えることなく、試合に出るからには全員が全力で立ち向かい、それでも埋まらない“個”の差は皆で埋め合う。

何も無いゼロから直向きに、みんなでぶつかり合い、認め合う。
失うモノなんてないところから、皆で1つ1つ成長を。

まさに青春の1ページ。
例えこの先、バスケでなくても、この精神は人生にも活きる。

全体的にはライトな仕上がり。
きっと実際はもっと大変なこともあったんじゃ無いかと思うほど韓国の映画にしては王道仕立て。
局地的に濃く描くより、一連の奇跡を流れるように描いている印象、だから誰でも楽しめる。

かつて、なんだかんだとヘタクソでも諦めずに続けてた部活を思い出す。
これ観たらスポーツしたくなる。かつての熱いモノを少しだけ思い出せる映画。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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