ハル

リバウンドのハルのレビュー・感想・評価

リバウンド(2023年製作の映画)
4.0
わずか6人(1人怪我をしてしまうので、決勝戦は実質5人)の選手で全国大会準優勝するという、にわかには信じられない実話ベースのストーリー。

内容的にはわかりやすいスポ根友情ものだが、驚かされたのは選手たちのプレーレベル。
経験者目線でみても相当やってきたことが伺え、一つひとつの動きが板についている。
バスケットボールの場合、ミートやステップ、ドリブルの引っ付き方だけでもやり込んできたレベルがわかるので、プレーの質が映画自体のクオリティーの高さにも直結する。
切れ味鋭いロールターンからのレイ・アップやワンハンドタップなど、見所盛りだくさん。
CGを使ったり、ワンシーンだけ切り取っただけの、見せ掛けフェイク臭たっぷり作品群より遥かにリアリティを感じられ、彼らの練習量が作品の熱量へダイレクトに反映されていた。

ここまで作り込んだバスケ映画は中々ないのでは?と震えるほどの感動。
バスケ経験者として本当に良い作品に出会えた喜び。
久々に熱いものを思いだし、多幸感で満たされる。
コートにいる時間を何よりも幸せに感じていた、あの頃が懐かしくもなった。

〜余談〜
鑑賞後、韓国のレギュレーションがよくわからず、色々調べてみたが、そもそも韓国と日本では部活動の概念がまるで違うらしい。
バスケ部は全国で30程度しかなく、ある種選抜されたものだけが競技可能な環境。
エンドロールに実際の選手達の戦績やその後の進路が出ていたが、5人しかいないなか、2人退場して3人で戦い10点差だった驚愕の事実。
彼らの起こした奇跡に心からの拍手を送った。
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