イチロー51

コロニアの子供たちのイチロー51のレビュー・感想・評価

コロニアの子供たち(2021年製作の映画)
2.3
慈善団体の施設に入り、共同生活を始めた少年が、そこで体験した意外な出来事とは?
ナチスの残党が南米のチリに築いたカルト拷問施設の恐るべき実態を描いたドキュメンタリー作品。

サルバドール・インスンサ、ハンス・ツィッシュラー、アマリア・カッサイ ル、ノア・ヴェスターマイヤー 、ダビド・ガエテほか。

「コロニア・ディグニダ」というのは拷問施設であるとともに、指導者のパウル・シェーファーが小児愛者で、少年たちに性的虐待を2010年までの長年に渡り行われて来た。

以前に同じ題材で、エマ・ワトソン主演の「コロニア」と言うドイツの作品を鑑賞したが、面白い題材なのに雑過ぎて惜しい作品でした。

本作も同じで、面白い作品とは言えない。
実際に起こったことは分かっているのだろうが、どんな拷問があり、強制的な少年愛に至っては、詳しく描ける訳でも無く、確信に触れる事がタブーなので、とても伝わりにくい。

本題材は、ハリウッドが描き、どこまで確信に触れるかで、面白い作品に成りうるだろう。

〜余談〜
日本のアイドル事務所の変態ジーさんが長年に渡り小児虐待を行ってきた事が思い出されますが、スケールが違うカルト集団の長年の出来事。

ピノチェト政権下の秘密警察とされる国家情報院に逮捕された300人程がこのコロニーに連行され、拷問なども受けていたという。
その様子は描かれてはいないが、実際には100人以上がコロニアで殺されているので、軍事政権と深く関わりを持っていた事が分かる。

実際は映画で描かれていることよりも、もっと恐ろしいことが行われていたのだろう。