ヤマナカ

乱れるのヤマナカのレビュー・感想・評価

乱れる(1964年製作の映画)
4.5
ずらっと並んだ酒屋の商品、瓶やら缶やらのもつ圧倒的な細やかなうつくしさが作品全体のリアリズム的強度とでも言うべきものをつくっていて、その中で例えばふだん舌足らずで義弟役がよく合う加山雄三がびしょ濡れの雨合羽を着たままじっと義姉の高峰秀子を見つめる視線の鋭さが徹底したうつくしさに感じられるのだし、彼女の「生きて」きた18年がたしかに感じられてうつくしく、そういったものを裏切るかのような最後のシーンに圧倒されてしまうのだ。

ところで紅白でラストステージを飾った加山雄三にせよ、今度90歳を目前にエッセイを出版するらしい草笛光子にせよ、依然として活躍されていて、もう、すごい!
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