アニータ

乱れるのアニータのネタバレレビュー・内容・結末

乱れる(1964年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

溝口健二とは、また違った女性映画。
溝口健二の写し方例えるなら、近松物語から出すなら男ありきの女の弱さ、男がいなければどう生きていくこともできない女の儚さや弱さを踏まえた女の美しさを描き出す。
成瀬巳喜男は、女性単体で完結する。
1人の女としてみるなら、まさしく現代の女性美そのものだろう。戦後、夫が戦死し1人で酒屋を切り盛りした我慢強く、貞淑な、誰にみられても恥ずかしくない「家庭の女」
しかし、女としてはどうだろうか。
夫が死んでも再婚せず、11も歳が下の義兄弟に愛していると伝えられてもその好意に甘え、逃げ、決断せず、傷つけ、死んだ。
後に残るのは後悔だろうか。愛に応えられなかった後悔、逃げ続けた後悔、国に帰って過ぎた事を悔やみ続けるのだろう。

女として求められる事でみえる「弱さ」
成瀬巳喜男の女の美学を感じた。
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