8Niagara8

乱れるの8Niagara8のレビュー・感想・評価

乱れる(1964年製作の映画)
4.3
貞操を守るように貫く礼子がかっこよくもある。
時折見え隠れする夫の存在が深みを持たせ、幸司は血気盛んな感じで危うさもあるが、それでいて実直さを見せてくるから困ったもので、加山雄三がキザなもんだからなおさら。
強さすら感じる礼子が終盤にかけて人間らしい弱さを垣間見せるようになる様が実に印象的である。
家族というものの陰影、描かれる以上に時間的な幅を感じさせる辺りは流石としか言いようがない。
虚無的でやるせないラストは成瀬らしいにも程がある。
ヤルセナキオの象徴的な作品だ。
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