午後の山

⾼野⾖腐店の春の午後の山のレビュー・感想・評価

⾼野⾖腐店の春(2023年製作の映画)
5.0
見終わった後すぐなのに、何故かすべてのシーンが懐かしく愛おしく感じさせられる映画だった。ニヒルな過去を微塵も見せない藤竜也さんの町のお豆腐やさんぶりが素晴らしい。父の傍らで美しく輝く麻生久美子さんの豆腐やの娘っぷりにすっかり魅了された。定食屋の主人、菅原大吉さんの姿が温かみに溢れていて、映画のなかでとても良かった。その実の奥さん、竹内都子さんが喫茶店で変装した藤竜也さんを冷やかすシーン、ピンクの電話復活!みたいで、すごく面白く温かいシーンだった。あえて観光地を映さず尾道で生活する地元の町並みと海がとても心地好かった。人が抱える憂いを皆で温かく包み込んで助け合って笑い合って生きていく人々の姿が心に刻まれ、そんな繋がりを自分も大切にしたいと思わせてくれる大切な1本、名作だった。
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