「気持ちのぶつけどころがない」とはよくいうものの、この主人公は気持ちをぶつける。とにかくぶつける。
彼女は小学生の一人娘がイジメにあい、その末に亡くしてしまった。その悲しみと怒りを主犯格の女の子たちにぶつけ、その母親たちにぶつける。
大の大人が小学生女子を並べて怒鳴りつける絵面やポスターにもなっているようなクライマックスの凄惨な事態も子を失った母親のぶつけようもない怒りと悲しみの表現として鬼気迫るものだったと思う。
これが長編映画でやると間違いなく息切れするだろうけど、30分の短編だからこそ感情の爆発だけを描けた気もした。