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四月になれば彼女はのsのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

ポイントの関係で映画館で鑑賞。実は原作小説は購入済みだったのだけど、結局読まずに映像作品から先に見ることに。

映像はとても綺麗だった。特にボリビアのウユニ塩湖、プラハ、アイスランドの海外ロケの景色は圧巻。その土地の持つ圧倒的な空気感と壮大な景色、特にアイスランドでの真上から撮影した波のシーンはとてつも無い壮大なパワーを感じられた。
フジとハルの大学時代の映像も綺麗だった。どことなく朧気で柔らかいけど色褪せてるような。朝日を撮りに行くシーンも素敵だった。音楽も◎。

でもな、正直ストーリーとしては、、、。エンドロールで藤井風の曲を聞きながらなんとも言えぬ感情だった、これはなに?全然分からない、、。

弥生は結婚直前で姿を消した。これで2回目らしい。
「愛を終わらせない方法はなんでしょう。それは手に入れないことだよ」愛は当たり前じゃない、ずっと変わらずそこにあるものじゃない。人は変わる、それでも互いに歩み寄って、気持ちを重ねて、変化も受け入れていく。そうやってこれからの時間を共に生きていくということ。
変化を受け止められない、このままずっと幸せが続くはずがないと考えてしまうのが弥生だった。そして藤代の元からも消えた弥生は春の元へ行った。

春は大学時代の藤代の恋人。カメラを通じて出会った2人。順調に見えた2人の前に立ちはだかるのは彼女の父親。海外旅行を許してくれない、なんなら娘と離れることのできない父親、眠れない息が出来ないって、、なんだか怖かった。結局藤代との旅行を選ばず離れた2人。
春は病を患いながらもかつて藤代と計画していた場所を一人で訪れた、そしてその土地から手紙を送った。彼女の手紙からはあの頃の眩しい気持ちが感じられて、そしてその頃を思い出を抱えながら旅をしているんだろうなと感じられた。

春の元を訪れた弥生、最期のときを迎えるために緩和ケア施設で過ごす春。最後に弥生が春に「あなたに会いに来た」と伝えたとき「わかってたよ」と微笑んで、弥生の写真を撮る春の姿が印象的だった。あのタイミングで涙を流しながらシャッターを押す森七菜凄かった。
「何が撮りたいの?」「雨の匂いとか、街の熱気とか、人の気持ちとか、」「目に見えないものばかりだね」「でもそこにあるもの」印象的。

藤代が一番よく分からない、なんだ?全編通してよく分からない。何も見えてないんだな。弥生の気持ちにも全然気づいてなかったんだな、だから弥生も消えたのだけど。
ともさかりえの言葉が一番しっくりきた、「なんでそんな状態で結婚しようと思ったの?」

太賀演じるバーの店員に向けた言葉、「気楽に生きてていいよな」って言葉に同性愛者である彼の返した「一人で生きてくしかないって気づいて、、」ってところが表情も含めてググッとくるものがあった。

藤代は学生時代好きだったハルを追いかけなかった。そして今回はハルに背中を押されるような形で弥生を追いかけて捕まえて、ようやく向き合おうとしている。

さすがに森七菜と佐藤健が同世代を演じるのは難しいね。
キャストは良いんだけど、佐藤健は良いんだけど、藤代というキャラクターがちょっと理解難しかった、苦手。弥生というキャラクターも人によって見え方が変わるんだろうなと感じるし、長澤まさみの塩梅も難しそうだけど良かった。森七菜は特に大学時代がハマってたなぁ、最後のシャッターを切るシーンと藤代と別れた駅でのシーンはとても印象に残った。
原作小説は気が向いたら読もうと思う。
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