山田さんの映像や川村さんの原作。
どちらも一ファンであるが、あまり前情報として入れず鑑賞した。
隣の人は佐藤健かっこいい〜という感想。
年齢や置かれている環境によって感想は様々。
恋人に誘われてみたが気づく感想も違って面白かった。
例えばグラスを割ってしまうシーン。
客観的にみていたつもりが、意外とフジ的視点で、鈍感だったように思える。
後になってその話を聞いて、割ってしまったグラスに思い出に浸ることなく、片付けようとする姿勢は震えるような渇いた感情だなと思った。映画の話だから、自分事になったらまた違うんじゃないかと感情移入できなかったドライな自分もいたようで、少し悔しかった。
ハルの父親の描写は、愛を伝える/受ける,感じる方法にもがく様な描かれ方で、写真で暗室という愛への執着を感じ、あの不気味さは映画の中で必要な登場人物だった。
ハルのメイクが若干過度に見えていたのは大学生らしい感じの雰囲気なのか否か。仮に綺麗なメイクすぎると大人っぽくなりかつての恋人や大学生という感じが出ないのだろうか。素晴らしいスタッフ陣だからこそ、綺麗すぎず、不自然に見えたのも、ストーリーを引き立てるエッセンスだと感じた。
男性がどうしなければいけないとか、女性がどうしなければいけないとか、そういうお互いのエゴを押し付け合うような描き方をしていないのが川村さんらしい表現だなと思ってよかった。
愛を伝える、感じる方法は様々。
不器用になってしまう一面もあって、わかってしまうこともあるけれど、分かりきることはない。分かりきったと言えてしまうことが、手に入れてしまう=諦めて、サボるということなんじゃないか。
以前川村さんがTwitterで言っていた"そんな映画を作りました。"の映画だったんだとエンドロール時に伏線回収をした。
伝え続け、受け取る姿勢を保つこと。
今を大切にいきたい。