シノミー

四月になれば彼女はのシノミーのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.7
人は少しずつ変わっていく。

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四月にかつての恋人、伊予田春(#森七菜)からの手紙が届いた。
あのときの私は自分よりも大切な人がいた。それが永遠に続くと思っていた。
そんな言葉が綴られていた手紙を読んだ藤代(#佐藤健)は結婚して2年ほど経つ弥生(#長澤まさみ)と過ごしていた。
だが突如として弥生は藤代の前から姿を消した。愛を終わらせない方法ってなんだと思う?と問いを残して彼女は去った。

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愛とはなんなのか、その問いに対する一つの答えがあった。

かつて交わした約束をずっと覚えていて、その当時はそれを果たすことができなかった。その事実を受け止める力もなかった。

今になって、ようやくその当時の自分と向き合い、そんな自分に会いに行く決意ができた。旅に出た春は成長していた。

弥生に関しては、愛を終わらせないためにしていた行動だったのだと思うが、なかなか常軌を逸していたなぁ。

弥生の妹とか藤代の友人は失踪原因をよくわかっている感を出していたけど、僕もなんとなくこうかな的な考察しかできなくて、割と藤代寄りの感覚だった。

愛を終わらせない方法は、手に入れないことというが、その距離感を保つのは困難だし、結婚して生きていくということはその感情に折り合いを付けて共に生きていくことなのではないかと思う。

だから、弥生の失踪理由に全く共感はできなかったけど、逆に結婚相手の行動に全くピンと来ていない藤代もすごい。

愛するということを知らない彼と愛されることが怖い彼女のすれ違いは、元恋人が撮った写真たちによって終止符を打たれた。

愛する勇気が足りなかった彼女は、弥生に愛するということを教えて、バトンを託した。だから明日からは弥生は愛を手に入れないのではなく、受け入れていくのだろう。そんな変化こそが今作の魅力なのだと思う。

森七菜がやはりめちゃくちゃ可愛かった。
僕の推しなのです。
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