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四月になれば彼女はのmrのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.9
初めて見た時はすごく難しく、理解が追いつかなかった。

フジと弥生とはる、3人の想いが交錯していたからこそ3方向からの見方があり、理解が難しかったと思う。
自分は現実でフジの立場に近い気がして、フジの気持ちに寄って見ていた気がする。フジは、受け身すぎたのだろうか。
途中から、弥生の想いに寄って見てみると、弥生は自分から幸せを手放したようにも見えたし、同じ状況でもフジとはまた見え方が全然違って見え、面白く感じたと同時に、自分と相手では同じ時間を共にしていても感じ方は違うということに改めて気付かされた。

そして、"愛することをサボった。"
という言葉はすごく私に刺さった。サボるということは、相手がいることに満足し、相手を手に入れたという気持ちになる。人は安心すると、相手を愛することを少しだけ楽しようとする。相手がいることが当たり前になってしまうことで感謝の気持ちを伝えなくなっていたり、相手を思う気持ちや気遣いが初めより減る。
1週間前、ちょうど私はお付き合いしてる人から「お付き合いに慣れてきちゃったのかもね」と指摘された。その意味がはっきりと、深く分かった。悪い意味で相手に甘えすぎていたのかもしれない。いちばん難しい事だが、どれだけ長く時間が経っても相手のことを最初と変わらず、むしろ始まりよりもずっとずっと大切にしたいと思えた。気持ちもちゃんと伝えたいと思った。終わりはないが、相手のことをもっともっと知りたい、理解したいと思えた。相手が伝えてくれた言葉を、丁寧に聞き、自分の中にちゃんと落としたい。落とせるような人になりたいと思う。


特に劇中で、「人は、憎んでいる人よりそばにいて愛してくれる人を容赦なく傷つける」というようなセリフがあり、はっとした。忘れられない。
1番大切にしたい人なのに、笑顔にさせたい、癒したい人なのに、誰よりも距離が近いからこそ、傷つけてしまうことも多い。
それが何より辛い。思い通りにいかない。
どうしたらこうならずに済むのだろう、
やはり愛することをサボってはいけないのだ。
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