はんそく負け

仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインドのはんそく負けのレビュー・感想・評価

3.0
当時の芝居を再現する者(芳賀、唐橋)と、この20年を踏まえた芝居をする者(村上、藤田)との間に巧=半田健人は立つ。半田は当時の芝居を再現しようとするも、もう声が違いすぎて再現には至らない。人間とオルフェノクの間で揺らいでいた巧が、今度は役者・半田健人として揺らぐ様を捉えている。大変素晴らしい試み。また、なぜ他を差し置いて藤田玲が呼ばれたのかの答えはそこにあるわけで、絶狼を経た現在の役者としての実力を遺憾なく発揮していて感動する。
しかし時代の要請ながら声優が声優の芝居を実写で行うことには抵抗しかないし、ミューズ、ネクストファイズ及びカイザのデザインは全然よろしくなく、悲しい。でも後者はスマートフォンが機能的であるが故に退屈なデバイスであることにも起因しているので、仕方ない側面もある。にしてもだが。ところでアクセルフォームの演出が『シン・仮面ライダー』っぽくて笑えた。